小児矯正について
近年、歯並びがお口の健康を支えるとの認識が広まり、大切なお子さまの歯並びを気にされる親御さまが増えてきています。しかし、何歳から矯正治療を始めればいいかわからない、そもそも矯正治療が必要かどうかわからないなどの悩みを抱え、矯正治療を始めるきっかけがないまま子どもが成長してしまうケースが少なくありません。小児矯正は、顎の成長など歯並び以外の要素も踏まえ、矯正を始めるタイミングを決める必要があります。
第1期・第2期治療について
小児矯正は、第1期治療と第2期治療に分かれています。第1期治療は、乳歯列期か混合歯列期に顎の骨の成長をコントロールして行う矯正治療です。永久歯がきれいに並ぶスペースを確保するために、取り外し式の顎を広げる装置を使って、歯並びの土台となる顎を拡大します。また、舌の癖がある場合は舌のトレーニングで改善を促します。
第2期治療とは、顎の成長をコントロールして歯並びの土台を整えても、永久歯がきれいに並ばなかった場合に行う矯正治療です。ワイヤー矯正やマウスピース矯正などで2年程度の期間をかけて歯並びを整えます。第1期治療を受けていなくても、お子さまが成長途中であれば、その成長を利用して歯並びを整えることができます。
子どもの頃から歯並びを整えるメリット
顎を拡大しやすい
顎の成長をコントロールすることで、顎を効率的に拡大できます。顎の成長を利用できるのは10歳前後までです。
歯が動きやすい
子どもの歯は大人の歯と比べて柔らかいため、弱い負荷でも動かすことができます。さらに、歯が動く際の痛みも比較的少ないため、痛みに弱い方はなおのこと子どものうちに矯正治療を受けた方がよいでしょう。
抜歯するリスクが低い
大人になってから行う矯正治療では、永久歯が並ぶスペースを確保するために、抜歯が必要になるケースがあります。顎の成長をコントロールして永久歯が並ぶスペースを確保できれば、抜歯をせずに歯並びを整えられます。
適応能力が高い
子どもは大人と比べて適応能力に優れているため、矯正装置に早く慣れる子どもが多くいらっしゃいます。また、矯正治療後の歯や歯茎、口の周りの筋肉に対する適応能力も優れています。
治療費を抑えられる
子どもの歯は大人の歯よりもスムーズに動くため、治療期間を抑えることができます。治療期間が短くなればなるほどに治療費も安くなります。
当院では小児歯科専門医も在籍!
小児歯科専門医とは?
日本小児歯科学会専門医とは、子どもの歯科治療における専門知識と技術、経験を持つ歯科医師に与えられる資格です。日本小児歯科学会専門医は日本の歯科医師の中でも一部しか取得していません。当院では、日本小児歯科学会専門医がお子さまと的確なコミュニケーションを取りながら診療しております。
お子さまの歯の健康は生涯にわたる歯の健康に直結するため、子どもの歯について十分な知識を持つ歯科医師の診療を受けることをおすすめします。
当院の小児矯正メニュー
顎の成長を適切にコントロールすることで、将来的に永久歯がきれいに並ぶスペースを確保できます。そのためには、顎の成長を促すための食事改善、お口全体の機能を整えるためのトレーニング、歯並びを悪化させる舌癖の改善などを行う必要があります。当院で行っている小児矯正の治療法は次のとおりです。
プレオルソ
プレオルソは、小児用のマウスピース型矯正装置です。歯並びを悪化させる原因である口周りの筋肉を改善し、歯並びを間接的に改善します。舌と頬、唇の筋肉のバランスによって歯並びが決まります。そのため、プレオルソで口周りの筋肉のバランスを整えることで、きれいな歯並びを実現できるのです。
メリット
プレオルソは取り外し可能なため、一般的な矯正装置と比べてケアしやすく、むし歯や歯周病のリスクを抑えられます。また、装着中の痛みや違和感も比較的抑えられています。装着時間は日中の1時間と就寝時のみです。学校へ持って行く必要もなく、ライフスタイルに影響を与える心配もほとんどありません。
また、プレオルソは歯並びが悪くなる原因を取り除くものですので、矯正治療後の後戻りのリスクを抑えることができます。その結果、再治療や大人になってからの矯正治療にかかる費用を削減できるのです。
拡大床
拡大床は、顎の幅を広げることで、永久歯が正しく並ぶためのスペースを確保する矯正装置です。装置のネジを回すと、歯の裏側から顎にアプローチして顎の幅を広げることができます。顎の骨が軟らかい子どもの頃だからこそ行える治療法です。最初は違和感を覚える場合がありますが、すぐに慣れるお子さまがほとんどです。</span >
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯にブラケットという留め具を装着し、そこにワイヤーを通すことでワイヤーが元に戻ろうとする力を利用して歯を動かす治療法です。大人の矯正治療で使用する装置と同じものを第2期治療で使用します。